いつまで続くの?在宅介護における家庭崩壊を防ぐためのレスパイトケア
自分の家族が介護を必要とする日常が急に訪れたら…。自分にとっても家族にとっても今とは全く違う生活が訪れます。
しかし、ある日突然その日がやってくることを想定しながら生活している方は少ないのではないでしょうか。そこで是非導入をしたい「レスパイトケア」です。レストパイトケアとは介護をする家族が息抜きのために使用できるサービスで、世の中には家族の介護をしながら生活している人がたくさんいます。レスパイトケアサービスを知っていれば子育てや仕事、自分の時間を持ちながら家族の介護を両立する事が出来るのです。
レスパイトケアサービスについて詳しく知るためにはケアマネージャーやSW・相談支援専門員に相談するのがおすすめです。ここではレスパイトケアサービスの種類やどんな事が出来るのかを簡単に紹介します。
【知っておく事に早すぎることはない】
厚生労働省の調べによると80代から介護を受け始める方が多いのですが、80代の要介護者の介護を行う人の30%以上が50代の家族というデータが出ています。
こういったデータからも介護が必要=高齢者と思われがちですが、まだまだ働き盛りや未成年でも色々なきっかけで介護が必要となることは珍しくありません。つまり家族が介護を必要とする年齢が早ければ、自分が介護者になる年齢も若くなる可能性があるという事です。
また、同居の主な介護者(熊本県を除く。)について、日常生活での悩みやストレスの有無をみると、「ある」と回答した人は68.9%でした。介護は長期戦になる可能性も多く、やはりストレス軽減のための対策は不可欠といえそうです。
参考:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/05.pdf
【自分と家族のためのレスパイトケア】
ここでは、なぜレスパイトケアが効果的なのかを説明しましょう。
*家族だから介護がつらい
家族介護のつらいところ、それは「家族である」ということです。
育ててもらい色々なことを教えてもらった母親にできない事が増えていく、最愛のパートナーが自分の事がわからなくなってしまう、将来の夢を描いていた息子が自分で呼吸する事ができない。そばにいる人の想像もしなかった姿は、予想以上にショックが大きく先の見えない介護において「現実を受け入れる事の難しさ」も大きなストレスとなります。
*家族介護に向き合った時にそこにかかる時間
介護にかかる時間は、介護度により様々ではありますが介護度が上がるにつれて関わる時間が長くなることは言うまでもありません。例えば要介護1程度の方の場合は必要な時に手を貸せばいい事が多いですが、要介護5の場合は終日ケアが必要な方が多いです。介護度は「介護にかかる手間」で数字が上がって行くことを覚えておきましょう。
【色々なレスパイトケアサービス】
それでは、レスパイトケアサービスをいくつか紹介します。
*訪問介護
自宅に支援員が伺って行うサービスです。
・身体介護 入浴、排泄、食事介助等の直接身体に触れる介助全般を行う
・生活援助 掃除、洗濯、調理等の家事をお手伝いする
・訪問入浴 自宅のお風呂での入浴が難しい場合にお風呂桶ごと持参入浴をさせてくれる
・訪問看護 看護師が自宅に訪問し健康状態の悪化防止や主治医の指示があれば病院と同じ医療処置もしてくれる
*通所介護
外出系介護サービスとも言われる、自宅外で行うサービスです。
・デイサービス 送迎車にて日帰りで施設に通い、レクリエーションや食事、入浴などのサービスを受けられる
・デイケア 医師が常駐しており、リハビリが中心のサービスを受けられる
通所介護のサービスを探すサイトはこちら
・ショートステイ 1泊から短期的に施設入所し介護サービスが受けられる
*その他
介護保険適応外ではありますが実に様々なサービスがあります。
・ 自費サービス
外出同行、安否確認、話し相手、家事代行、買い物代行、などなど
・予定入院
自宅での介護者の休息を主な目的とした入院、医療処置が必要で介護保険のショートステイが利用できない場合に利用する事が多い
【最後の塞 施設入所】
上記のような介護サービスを利用することにより自宅で過ごすこともできます。しかし、家庭の状況によってはそれでもなお介護者の負担は大きく、施設入所をすることで良い距離感で関わりを持つ事ができるようになる場合も少なくありません。
とは言え施設の種類も様々なので、要介護者の状況に合った施設を選ぶことは重要です。
もし、施設入居が必要な場合にサービスを探すサイトはこちら
・みんかい
【レスパイトケアサービスを使うには】
ケアマネージャーやSW(ソーシャルワーカー)・相談支援専門員に相談します。事例に合わせたレスパイトケアサービスを使うための手順やサービスを行なっている事業所を提案して橋渡しをしてくれます。
【どこに行けばケアマネージャーやSWに相談できるの】
レスパイトケアについて相談できる場所は以下の通りです。
・居宅支援事業所
・相談支援事業所
・病院(地域医療連携室)
・いきいき支援センター
・区役所、市役所介護福祉課
インターネットの口コミなどを確認して、ご自身のケースではどこに相談すべきかを調べるのもおすすめです。
【ケアマネージャー・SWなどに支払う費用】
相談をするにあたって費用面は気になるところかと思いますが、ケアマネやSWへの相談には費用はかかりません。ケアマネやSWは、実際に相談にあたった場合に保険請求で国から報酬を受けていますので介護者の費用負担はないのです。
【無理はしない!相談しましょう】
今回サービス内容については簡単に説明しましたが、実に様々なレスパイトケアサービスがあることをわかっていただけたかと思います。レスパイトケアサービスは、介護する人・介護が必要な人どちらのためにも不可欠なサービスです。「預けたらかわいそう」「自分の家族なんだから自分で介護しなきゃ」そんな時代は終わりました。
逆に、レスパイトケアサービスを知らない事で誰にも頼れず過酷な生活状態からの介護うつで虐待などの家庭崩壊を招く事例も多く報告されています。大切なのは「家族と自分」両方です。
お互いが心地よく過ごすためには、お互いそれぞれの時間が必要です。家族がずっと笑って過ごせる環境をつくるためにも、レスパイトケアについて理解し、必要に応じて利用できるといいですね。